会社を退職する際に求められる必要書類がいくつかあります。
・情報漏洩を防ぐための同意書
・離職票の要否を記載する書類
・退職届
・会社からの貸与物を返却する際に使うチェックシート
等々。
会社によって違いますが、私の経験上このぐらいは常に提出してます。
これらの書類をよく見ると「ん?」という内容がありました。
「○○株式会社退職後、同業種で10年間就職や独立をしてはいけない」
いやいやw
それは納得できないでしょ。
こういった同意書はIT系の会社で多い?
どうやらIT系でなく、色々な業種で似たような内容の同意書を求められることが多いようです。
そもそもこういった事って法的に許されるのでしょうか??
結論から言うと、法的には無効です。どこに就職しようが労働者の自由です。
そりゃそうですよね。
中部機械製作所事件・金沢地判 昭43.3.27判時522号83頁 より
一般に、労働者が(中略)習得した業務上の知識、経験、技術は労働者の人的財産の一部をなすもので、これを退職後に各人がどのように生かし利用していくかは各人の自由に属し、特約もなしにこの自由を拘束することはできない
こういった判例が示している通りです。
会社としては退職者がライバル会社に就職されて営業秘密を漏らされるのが怖いからこういった同意書を取っているのでしょう。
あからさまな営業妨害や情報漏洩は労働者が不利になるケースがあるようです。
とは言え「10年間同業種で就職できない」って、エンジニアがエンジニアとして生きていけないとかありえないでしょ?
退職時の書類で「これはおかしいのでは?」という記載があれば、お近くの労働基準監督署や弁護士に相談してみましょう。
転職エージェントに相談してみても良いかもです。
法的なアドバイスは難しいと思いますが、退職後の動き方や転職に対するお話は有益だと思いますよ。
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